フィリップス・アコーステック・エッジ Philips Acoustic Edge 706 by とらやまねこ 2023/10/15


はじめに
もうかなり前のサウンドカードなので、今更感もあるが、同様の悩みを抱えた諸氏のご参考にでもなれば。
この板は音が出るまでは面倒があり、適当なドライバー捜索の件、ブレイクアウトの出力ケーブルのことなどとあった。

ドライバーに関して
OSでドライバーは準備されていない。
だからWEBで探したのだが、このカードは公式のドライバーはWIN XP 32bitまでの対応のようだ。それ以降のOSに対応するドライバーも存在するようだが、試してはいない。
XPにて動作させ、フィリップスのHPにもあり、よく目にする最新版V1.89(psc70617_dxp_eng.exe 7.53MB)を試したが、これは使い物にならない。当初は基盤不良を疑ったほど。
困って調べると、海外のフォーラムでも同じようなことがいわれている。ようやく確実な情報を発見した。
ここに https://forum.hwsw.hu/topic/31358-phiplips-acoustichoz-157-driver-kene/

そこでおすすめなのが、 PSC706_WDM_ENG_V157.exe で、当ててみるとこれはちゃんと動作する。V1.57ならOK。V1.65は不可。DLできるようにしておくので自己責任でご利用あれ。

またWIN98SEでも動作するのを確認した。
(手動インストール。上記exeを実行するとCドラにフォルダが作られ、ドライバーなどが解凍されるので、始めに本体Philips PSC706 Audioをデバイスマネージャーから当てる、必要ならその次にゲームポートは3枚目の「検索しないで〜」を選択してからでないと入らない。)
この手の不都合、よくある話だが、ドライバーのバージョンアップが必ずしも良くなったとはいえない事例で、ヨーロッパを代表する巨大優良家電メーカーとしては遺憾なことだ。
Philips Acoustic Edge 706、外見に迫力はない。

出力の直出し法について
 2CHの出力である。
本来はMINI-DINからのブレイクアウトケーブルにて3.5φミニジャックにて出すことになっているが、それはない。音質的にはRCAで出したいところでもある。
信号を出力しながらピンアサインを探って、LR出力(hot)は確認した。グラウンドはそのままMINI-DINのシールド側で大丈夫だった。
ピン間隔が狭いのであまり太い線が使えないのは仕方ない。線の引き出しと固定には構造的に確実にするため工夫が必要であった。

アコーステックエッジ・コントロールパネルのSpeaker Testから各出力音を出すとピンは探りやすい。手書きピンコネ図、小文字のlとrは4CHリア出力。あとは未確認。MINI-DINはブラケット正面で、ここに針を刺してAC電圧測定により確認した。

音質評価
元々評判がいいとは聞いていた、現物に縁はなかったが、好奇心から入手。どうせ良くも悪くもフィリップストーンだろうと思っていたが、意外にも全般的にはなかなかよい音質だ。
低音の量感があるのはすばらしく、定位は前には来ないが良好。カラーレーションがない音色だ。フィリップスらしい明るさ、中高音の誇張感はなく、逆に中域が少し薄め。
フィリップスのオーディオ製品は、スピーカーユニット、DAコンバーター、にせよクラッシック音楽では安心感がある音がする。特に真空管はなかなかであるし、優れたパワーアンプICも多種開発製造していて、ほとんどはDCアンプではない点は残念だが、安全性重視ということなのだろう。
しかし、フィリップスでございますという音が、私には鼻につくが、愛好家も多いと思う。
これもそうで、ストリングスはいいが、ディストーションギターは線が細くなり、あまり相性はよくない気もする。
どうも3〜5kHzに少し音響的な盛り上がりがあるようにも感じ、これが透明感にもなっているのかもしれないし、歪み音には合わないのか。
ただ聴き疲れしない澄んだ音なので、それは好ましい特徴だ。
あとハードウェアMIDI音源は確かにショボイ、5MB位だったか、そんなあってもショボイ、残念ながら唯一の汚点か。取説でもショボイことは謳っている。
素朴な音の音源なのだが、インスト毎の音量にばらつきがあり、音色も統一感がなく、全体的にバランスが悪すぎる。ヤマハのソフトでお茶を濁すのではなく、折角のハードウェアMIDI音源なのだから専門メーカーからの物を載せたら良かったのに。そしてMPU401があるのだから、音源を載せられるコネクタも欲しかった気がする。